ポリアニリンは、低コストで電気伝導性が高く、水中で合成できることから、多方面で研究・応用が行われている導電性ポリマーの一つです。しかし、有機溶媒に溶けにくいために他のプラスチックと 複合化することが難しく、また、熱溶融性がなく加工性が低いといった難点があり、工業的応用はあま り進んでいません。 本研究では、微量のヨウ素を添加することにより、ポリアニリンをアルコール中で合成することに成功しました。同様の方法で、トルエンやクロロホルムなどの汎用有機溶媒中でも、ポリアニリンを簡 便に合成することができます。 これにより、ポリアニリンと、有機溶媒に溶ける物質との複合化が可能となり、例えば、導電性を持つ柔軟なゴムや半透明材料といった、異なるポリマーの特徴を併せ持つ導電性ポリマーコンポジットを作成することが可能となります。